= レポート = #TracReports [[TracGuideToc]] レポートモジュールは、簡単かつ強力なレポーティング機能を提供します。 この機能によって、 Trac データベースのチケット情報を取得することができます。 TracReports ではレポートの形式を定義するための方法として、独自フォーマットではなく、 SQL の `SELECT` 文を使用することにしました。 '''Note:''' ''現在の形式のレポートモジュールは、 Trac 開発チームでデータベースのスキーマにあわせる作業が必要になるという深刻な制限事項があるため、段階的に廃止します。より柔軟性に富みユーザビリティに優れた [wiki:TracQuery クエリモジュール] が代替手段として提供されます。どこかの時点でレポートモジュールを完全に削除することが出来るように、クエリモジュールで実現できないレポートがある間は、私たちはクエリモジュールを強化していくつもりです。また、これはレポートモジュールへの重要な機能追加は行わないことを意味します。'' ''以下の [wiki:TracIni trac.ini] のように無効化するだけで、レポートモジュールをクエリモジュールで完全に置き換えることができます:'' {{{ [components] trac.ticket.report.* = disabled }}} ''これによって、ナビゲーションバーの "チケットを見る" (英語版では "View Tickets") でのデフォルトのハンドラがクエリモジュールになります。もし可能ならば、この設定を有効にして、レポート機能がなくなることによって生じる不都合を報告してください。'' '''''ほとんど確実に httpd を再起動する必要があるでしょう。''''' レポートは以下の基本的なパーツから構成されます: * '''ID''' -- ユニークな (連番の) 識別子 * '''レポート名 (Title)''' -- レポートのタイトル * '''説明 (Description)''' -- WikiFormatting で記述された、レポートの説明。 * '''レポート本体 (Report Body)''' -- 後に述べるフォーマットで規定された、レポートクエリの結果。 * '''フッタ (Footer)''' -- レポート本体を異なる形式でダウンロードするためのリンク。 == ソートの並び順変更 == #ChangingSortOrder 単純なレポート (特にグループ化されていないもの) では、カラムのヘッダをクリックすれば、そのカラムでソートすることが出来ます。 カラムのヘッダがハイパーリンク (赤) になっていれば、クリックすることでそのカラムでのソートができます。並び順を逆にするには、もう一度クリックします。 == レポートの番号を変更する == #ChangingReportNumbering レポートの ID を変更する必要がある場合があるかもしれませんが、おそらくレポート自体を編集する方がベターです。というのも Trac のデータベースを変更する必要があるからです。 ''report'' 表は以下のようなスキーマとなっています (0.10 相当): * id integer PRIMARY KEY * author text * title text * query text * description text ID を変更すると ''レポート一覧 (Available Reports)'' での表示順と番号、レポートのパーマリンクが変更されます。以下のような SQL を実行すると ID が変更されます: {{{ update report set id=5 where id=3; }}} メンテナンス結果、データベースの一貫性を保つ必要があることに留意してください (例えば ID はユニークでなければなりませんし、 SQLite などデータベースの上限値を超えることはできません)。 == チケットをナビゲート == #NavigatingTickets レポートクエリ結果の 1 チケットをクリックするとそのチケットが表示されるでしょう。表示されたチケットのメインメニューバーのすぐ下にある ''次のチケット'' (英語版では ''Next Ticket'') または ''前のチケット'' (英語版では ''Previous Ticket'') リンクをクリックすることによって他のチケットに移動するか、''レポートに戻る'' (英語版では ''Back to Report'') リンクをクリックしてレポートページに戻ることができます。 あなたは安全にチケットを編集することができます。またチケットの編集結果を保存した後で、 次のチケット/前のチケット/レポートに戻る (英語版では Next/Previous/Back to Report) のリンクを使用して結果を行き来することが可能です。しかし、あなたがチケットへの操作を終えてレポートに戻るときに、どのチケットが変更されたかのヒントは表示されません。この動作はカスタムクエリの動作とは異なります。 (カスタムクエリについては TracQuery#NavigatingTickets を参照して下さい) 。 ''(0.11 以降 )'' == ダウンロードできるフォーマット == #AlternativeDownloadFormats 通常表示される HTML でのビューの加え、レポートはいろいろな形式で使用することができます。 レポートページの一番下に、利用可能なデータ形式の一覧があります。望む形式のリンクをクリックすれば、 その形式でのレポートをダウンロードすることができます。 === カンマ区切りテキスト - CSV (Comma Separated Values) === #Comma-delimited-CSVCommaSeparatedValues 1 レコードを 1 行として、各カラムをカンマ (',') で区切ったプレーンテキストとしてダウンロードできます。 '''Note:''' CSV 形式を保つため、各カラムのデータに改行文字やカンマがある場合、その位置で切り取られます。 === タブ区切り === #Tab-delimited CSV と似ていますが、水平タブ文字 (\t) で区切られる点が違います。 === RSS - XML コンテンツ配信 === #RSS-XMLContentSyndication 全てのレポートは、 XML/RSS 2.0 での配信が可能です。 RSS フィードを購読するにはページ下部にある、オレンジ色の 'XML' アイコンをクリックしてください。 Trac での RSS 対応についての一般的な情報は、 TracRss に記述しています。 ---- == カスタムレポートを作成する == #CreatingCustomReports ''カスタムレポートを作成するためには、 SQL を楽に書ける程度の知識が必要です。'' レポートは基本的に、 Trac が実行できる形式の、名前がついた特定 SQL です。 レポートに指定された SQL は、直接 Web インタフェースから閲覧したり、 作成したりできます。 通常のレポートは、 'ticket' 表に対する、カラムの選択や、ソート指定を伴った SELECT 文となります。 == Ticket 表のカラム == #Ticketcolumns ''ticket'' 表は、以下のカラムを持ちます: * id -- チケットID * type -- チケット分類 * time -- 登録日時 * changetime -- 最終更新日時 * component -- コンポーネント * severity -- 重要度 * priority -- 優先度 * owner -- 担当者 * reporter -- 報告者 * cc -- 関係者 * version -- バージョン * milestone -- マイルストーン * status -- ステータス * resolution -- 解決方法 * summary -- チケットの概要 * description -- チケットについての完全な説明 * keywords -- キーワード 各カラムに対応する属性の詳細な説明は、 TracTickets に記述しています。 '''優先度順、登録日時順の全未解決チケット''' '''例:''' ''優先度順、登録日時順の全未解決チケット'' {{{ SELECT id AS ticket, status, severity, priority, owner, time as created, summary FROM ticket WHERE status IN ('new', 'assigned', 'reopened') ORDER BY priority, time }}} ---- == 上級トピック: 動的変数の使用 == #AdvancedReports:DynamicVariables レポートに汎用性を持たせる手段として、 ''動的変数'' をレポート SQL で使用する方法があります。 簡単に言うと、動的変数とは、クエリを実行する前に置き換えられる ''特別な'' 文字列のことです。 === クエリで動的変数を使う方法 === #UsingVariablesinaQuery 動的変数を使うためのシンタックスは単純です。 '$' に続いて、大文字で変数名となる語を挿入してください。 例: {{{ SELECT id AS ticket,summary FROM ticket WHERE priority=$PRIORITY }}} レポート閲覧時、 $PRIORITY に値を当てはめるためには、レポートの URL に引数として変数を与えてください。この変数名に '$' を入れてはいけません。 例: {{{ http://trac.edgewall.org/reports/14?PRIORITY=high }}} 複数の値を使用する場合、各値を '&' で区切ります。 例: {{{ http://trac.edgewall.org/reports/14?PRIORITY=high&SEVERITY=critical }}} === 特殊な定数 === #SpecialConstantVariables 実用的なレポートのために、定義済みの動的変数が用意されています。これらは URL に値を設定しなくても、自動的に値が割り当てられます。 * $USER -- ログインに使用したユーザ名。 例 (''私が担当になっているチケット一覧''): {{{ SELECT id AS ticket,summary FROM ticket WHERE owner=$USER }}} ---- == 上級トピック: 表示形式のカスタマイズ == #AdvancedReports:CustomFormatting Trac には、レイアウトのカスタマイズや、グルーピング、ユーザ定義の CSS 利用などによる もっと複雑なレポートの作成も可能です。このようなレポートを作成するには、 Trac のレポートエンジンが出力を制御するためのステートメントを含む、特別な SQL を使用します。 == 特別なカラム == #SpecialColumns レポートを整形するため、 TracReports はクエリの結果から '特定の' カラム名を 探します。このような '特定の' 名前で、最終的なレポートのレイアウトやスタイルが 処理され、変更されます。 === 自動的に整形されるカラム名 === #Automaticallyformattedcolumns * '''ticket''' -- チケットの ID が入っているカラムで使用します。該当する ID のカラムにハイパーリンクされます。 (訳注: `summary` というカラム名もチケットにハイパーリンクされます。日本語版では `概要` でもリンクします。) * '''created, modified, date, time''' -- 日付や時刻に整形されます。 (訳注: `datetime` という列名にすると日時で整形されます。日本語版では `時刻` で終わるカラムは `time` に、 `日付` で終わるカラムは `date` に、 `日時` で終わるカラムは `datetime` に、それぞれ整形されます。) * '''description''' -- チケットの説明が入っているカラムで使用します。 Wiki エンジンで処理されます。 (訳注: 日本語版では `説明` でも整形されます。) '''例:''' {{{ SELECT id as ticket, created, status, summary FROM ticket }}} '''訳注''': Trac-0.11.1.ja1 以降のバージョンで作成した Environment では、デフォルトのレポートに日本語での整形ルールが適用されています。このような Environment を本家版 Trac で使用したい場合は各レポートの SQL を編集し、上記の日本語のカラム別名を英語に変更してください。 === 整形されるカラムのカスタマイズ === #Customformattingcolumns カラム名の前後に 2 つのアンダースコアがついている場合 (例: '''`__color__`''') は、 ''整形用のヒント'' として扱われ、レコードの整形が行われます。 * '''`__group__`''' -- 指定されたカラムで、表示がグループ化されます。各グループは、それぞれセクションヘッダとクエリ結果の表を持ちます。 * '''`__color__`''' -- 1 から 5 の数値である必要があります。値によって、あらかじめ定義された色付けが行われます。一般的な使用法は、優先度別の色付けです。 {{{ #!html